夜行バスは深夜時間帯になると「消灯」されます。「消灯」になる時間はだいたい22時〜23時頃になることが多いです。
文字通り車内は足元の一部の灯りを除いて真っ暗になります。
運行距離が短く、出発時刻が遅い路線では、出発直後にすぐに消灯になる路線も多いですが、長距離の路線ではビデオ映画を1本流した後に消灯になる会社もあります。
消灯時はすべての窓のカーテンを閉めます。
高速道路には運転者の安全のために数々のライト類がありますので
カーテンを閉めないと、これらの光が車内に入ってきてしまいます。
これがまぶしくて、就寝の妨げになってしまうからです。
カーテンは遮光タイプになっているので、光をほとんどシャットアウトできます。安眠のためにも(空席のところも含めて)必ず閉め、夜中に開けないようにしましょう。
なお、西鉄の車両では、1席ごとに仕切るフェイスカーテンが備えられていて、各席が個室のようになります。
写真:窓側に座った場合は必ずカーテンをしっかり閉めること。しっかり閉めてないと、高速道路上の照明灯や対向車のヘッドライトなどがまぶしくて安眠妨害になる(九州産交)。
消灯になったら、リクライニングシートをいっぱいに倒します(倒す前には後方の乗客の動向をよく確認し、ゆっくりと倒しましょう)。
夜行バスのシートは眠りやすいようにかなり水平に近い角度になります。
また、座面のお尻の部分がせり上がってさらに水平に近づけるような機構を採用した「スリーピングシート」と呼ばれるものもあります。
また、前の席のリクライニングシートを倒されると、足下が若干狭く感じられるようになる場合もありますが、そこはあくまでも「お互い様」だということをお忘れなく。
自分がリクライニングを行わないのは自由ですが、他人がリクライニングするのを妨げるのは感心できません(夜行バスはフルリクライニングして眠るための乗り物なのですから)。
くれぐれも前の人のリクライニングの妨げになるような足の組み方や荷物の置き方はやめましょう。
夜行バスはフルに倒した状態で眠ることを前提に設計されているものですが、
人によってはフルに倒さない方がいい…という人もいるかも知れません。リクライニングはフリーストップ(範囲内のどの角度でも止まる)なので、
自分にベストな角度をいち早く見つけましょう。
深夜走行時以外(消灯前の時間や翌朝になってカーテンが開いた後)には(後ろの席が空席になっている場合を除いて)フルリクライニングするのも遠慮したいものです。
消灯後は携帯電話の使用はやめましょう。消灯後に着信音を鳴らしたり話し声をたてたりするのは周囲にとって大変迷惑なことです。
携帯電話は音が出ないようになっているか(電源切断またはマナーモード)どうか、寝る前に一度確認しましょう。
最近は全車禁煙が主流になりつつありますが、もしたとえ禁煙車でないバスであっても消灯時間中の喫煙は火災の原因にもなるため絶対に厳禁です。
消灯後は足下にわずかに足下灯がつきますが、それ以外は車内が真っ暗になります。
灯りが必要な場合は「読書灯」を使いましょう。
読書灯は天井や網棚部分に取り付けられているタイプや前席の背部分に付いているタイプなどがあります。
写真:前席背部につけられている読書灯。天井についているタイプに比べ、周囲への光の拡散が抑えられる。
もし読書灯が使えない場合、運転席にある読書灯の制御スイッチから切られていることも多いです。
そのような場合は、なるべく早めに乗務員に連絡しましょう。
なお、読書灯も、真っ暗な室内中ではけっこう明るく感じます。長時間の使用は周囲の迷惑にもなりますので利用は最小限にとどめましょう。
消灯中にトイレなどの利用のために移動する場合は、シートの縁や網棚などをつかんで、寝ている人をつかむことがないように注意しましょう。
また、このような状態で通路上に荷物があると踏んだりつまづいたりして危険ですので、絶対に荷物を通路に置くのはやめましょう。
消灯中にマルチステレオを聴く人もいますが、周りに音がもれないように音量調節には十分気をつけましょう。
大音量のまま眠りに入ってしまうと自分の耳を痛めることにもなりかねません。
いくら遮光カーテンがあるといっても、カーテンのすき間から光がもれてくることもありますし、高速道路を走行中ですから走行音なども(決してうるさいわけではないですが)それなりにあります。
そういった光や音が気になる場合はアイマスクや耳栓などを用いるとよいでしょう。
写真:早朝、盛岡バスセンターに到着した夜行バス「らくちん」号(JRバス関東)。
夜が明けると、まもなくバスは目的地に到着です。カーテンを開けると朝の光が心地よく感じることでしょう。
朝になると乗務員の案内がありますので、フルリクライニングを戻し、カーテンを開けます(太陽光がまぶしいときは状況に応じて閉めておきます)。
その後到着地が近づくと、案内があります。
複数の到着地がある場合、くれぐれも自分が降りる場所を乗り過ごさないように気をつけましょう。
自分が降りる到着地が近づいたら、シートポケットや座席周り・網棚などをもう一度よく確かめて忘れ物がないように確認しましょう。
また、使ったヘッドホンや毛布・枕などは必ず元の位置に戻しておきます。
手荷物をトランクに預けている場合は預かり証(半券)を用意します。
またJRバスの一部路線のように降車時に集札を行う路線の場合は、乗車券も用意しておきましょう。
降車の場合は、
車が停車してから席を立ちましょう
。走行中に席を立つと危険です。
手荷物を預けていた場合は、到着後に乗務員に預かり証(半券)と引き替えに自分の荷物と受け取ります。
間違っても、忘れ物をしたり「荷物を預けっぱなし」などということがないようにご注意下さい。
乗務員に対する感謝の気持ちも忘れないように…。
夜行バスは朝の到着が早いことも多く、時間を持て余すことも多いので、会社によっては停留所近くのサウナやホテルなどの「利用割引券」
を配っていることもあるので(特典として、数百円割引になる・朝食が無料になる…など)必要であれば活用しましょう。
このようなサービス券はほとんどは降車間際に乗務員が配る場合もありますが、JR京都駅などのようにターミナルで配布することもあります。
また、阪急バスなどでは3,000円程度で大阪・梅田にあるグループのホテルを午前中利用できるプランを用意しています(事前にホテルへの予約が必要)。新宿駅新南口でも近くのホテルを11時頃まで利用できる同様のプランがあるようです。
降車場所 | サービス内容 |
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東京駅(JRバス関東など) | 「東京温泉ステーションプラザ」(東京駅構内)の朝食・入浴(男性のみ)割引券 |
新宿駅新南口(JRバス関東など) | サウナ「フィンランド」(歌舞伎町コマ劇場前)入浴(男性のみ)割引券 |
京都駅(京阪バス・JRバスなど) | 「京都タワー浴場」(京都タワー下)の入浴割引券 |